正規雇用労働者の中途採用比率の公表について

人生100年時代という職業生活の長期化が見込まれている状況において、
労働者が主体的にキャリア形成を行っていくためには、
職業生活へのさらなる充実や再チャレンジが可能となるように、
中途採用（新規学卒等採用者以外の採用）に関する環境整備を、
さらに推進する必要性があると考えられていました。

そこで、労働施策総合推進法を改正し、
令和３年４月１日から、中途採用に関する情報の公表を求めることにより、
企業が長期的な安定雇用の機会を中途採用者にも提供している状況を明らかにし、
中途採用を希望する労働者と企業のマッチングを促進することにしています。

【中途採用に関する情報の公表の概要】
●常時雇用する労働者数が301人以上の企業が対象
●直近３事業年度の各年度について、正規雇用労働者の中途採用比率を公表
●おおむね１年に１回、公表した日を明らかにしたうえで公表
●ホームページ等のインターネットほか求職者が容易に閲覧できる方法で公表

「常時雇用する労働者数」とは、次のいずれかを満たす労働者としています。
　雇用契約の形態を問わず、
　●期間の定めなく雇用されている者
　●過去１年以上の期間について引き続き雇用されている者
　　または雇入れの時から１年以上引き続き雇用されると見込まれる者

「直近３事業年度」とは、次の事業年度とされています。
　事業年度における正規雇用労働者の採用活動が終了し、
　正規雇用による中途採用者の状況を「見える化」することができる状態
　となった最新の事業年度を含めた３事業年度

つまり、正規雇用労働者の中途採用比率を公表することにより、
求職者は、その企業内で中途採用者が働いている割合等を詳細に把握でき、
転職先の選択肢を広げることにつながると考えられています。

一方、企業にとっては、中途採用者からの募集を増やすことにつながり、
優秀な人材を確保することができる契機になると考えられています。